12.万葉集と貝(一)真珠
万葉集に詠まれている貝の歌は、現在、六十九首と考えています。
詳細は、ホームペイジ「BIVALVES」の万葉集の貝の部屋をノックしてください。
六十九首のうち真珠の歌が四十一首あります。
真珠の歌の内訳もここでは省略します。
真珠のできる仕組みと見分け方を中心に書かれた本が、和田浩爾氏の真珠の本です。
1982年に全国宝石学協会から発行されました。
生物が作る宝石、真珠の石灰化機構、真珠の生体鉱物学、真珠の加工処理と変化、人造真珠、真珠鑑別の理論と実際、真珠および真珠養殖に関する研究史、真珠養殖、養殖技術による真珠品質のコントロール、宝飾品としての真珠、参考文献、付表、真珠関連用語解説、索引から本はできています。
生物が作る宝石の百科辞典です。
むずかしい学術専門書ではなく、真珠を身に飾る美しいアクセサリーとしている一般の人にもわかりやすく記述されています。
また、宝飾品としての真珠の章で、真珠の手入れについて記載しています。
その詳細は、省き、真珠の日常の取り扱いについては以下のことに気を配る必要があるとしています。
真珠をお持ちの方、参考にしてください。
1)硬い宝石や貴金属と一緒に保管しない。
2)極端な乾燥状態で保管しない。
3)火にかざさない。
4)明るい場所に保管しない。
5)炊事、洗濯、入浴にあたって無神経に水に漬けない。
6)果物や酢の物を食べるときには汁がつかないように注意する。
7)真珠製品を身につけたまま揮発性化粧品液を使わない。
8)使用後は真珠表面に付いた汗や油性化粧品などをできるだけきれいにふきとっておく。
9)ネックレス類では糸のゆるみはないか、糸が弱ってないかに注意する。
10)真珠が汚れても、自分で行える処置はせいぜい中性洗剤で洗う程度である。
生物が作る宝石の代表、真珠の美しさに万葉人は何を感じていたのでしょう。
13.かには(桜皮)咲く
撮影の日:平成二十四年五月二十八日
撮影の地:小樽市の裏山で
万葉植物名「かには」の現代名は「うわみずざくら(上溝桜)」です。
ホームペイジに「北海道に咲く万葉集の花」という部屋を作り、咲く花の一覧表を部屋に飾っています。
今日までうかつにも上溝桜が、万葉集に詠まれているとは気が付かなかったのです。
手持ちの万葉集の花の本では、吉野江美子氏の文・中村明巳氏の写真の「万葉花のしおり」にのみ上溝桜が、桜皮(かには)として集中一首詠まれていると記載していました。
上溝桜は、詠まれていないと思い込んでいましたので今日まで気が付かなかったのです。
山部赤人が詠んでいます(巻六・〇九四二)。
「あぢさはふ 妹が目離(か)れて しきたへの
枕もまかず 桜皮(かには)巻き 作れる舟に(以下略)・・・」
「かには」は、桜の木の樹皮とする説と白樺の樹皮とする説があるようです。
ここでは吉野氏にしたがって上溝桜としました。
早速、「北海道に咲く万葉集の花」の一覧表を加筆訂正して、部屋に飾り直しました。
花はこちらで見ていただき、よろしかったら「北海道に咲く万葉集の花」の部屋も訪れてみてください。