万葉集の日記

楽しく学んだことの忘備録

384.巻四・627・628:娘子、佐伯宿禰赤麻呂に報へ贈る一首と佐伯宿禰赤麻呂が和ふる歌一首

娘子:架空の遊行女婦か。404~406番歌参照。

627番歌

訳文

「私の腕(かいな)を枕に寝たいなどと思う大夫は、若返りの水でも探していらっしゃい。頭に白髪がまじっていますよ」

書き出し文

「我がたもと まかむと思はむ ますらをは をち水求め 白髪(しらかみ)生ひにたり」

404~406番歌の贈答でも、冒頭にあるべき男の贈歌を欠く。娘子が架空であるためか。いずれも軽妙なやりとりが交わされるのは、赤麻呂が宴席で笑われること演技した幇間歌人であるためか。

以下四首同じ宴席の歌。

629番歌と630番歌は次回記載します。

ますらを:男らしい男。初老の相手を皮肉った言い方。

をち水:満ち欠けする月にあると信じられていた若返りの水。

628番歌

訳文

「白髪が生えるのは一向に平気です。だけどあなたが言うなら、若返り水はまあとにかく探しに出かけますが、かまいませんか」

書き出し文

「白髪生ふる ことは思はず をち水は かにもかくにも 求めて行かむ」

老い面下げて女の言いなりなる、という言いまわしで自らを劇画化しながらも、女に一矢報いる歌。

引用した本です。

f:id:sikihuukei:20180510091859j:plain

昨日はやっと夏日となり、最高気温は25.2℃でした。

今日も夏日となるようです。

裏山のウワミズザクラ(上溝桜)が、この数日の暖かさのためかそろそろ咲きそうです。

2012年5月28日にもウワミズザクラについて記載しています。↓

souenn32.hatenablog.jp

咲いたら画像を貼り付けたいと思います。

では、今日はこの辺で。